リーディングに役立つタロット解説|ペンタクル・クイーン(QUEEN OF PENTACLES)「現実を育む慈愛」
- 神貴
- 4月23日
- 読了時間: 5分
更新日:4月28日

リーディングに役立つタロット解説
小アルカナの「ペンタクル・クイーン(QUEEN OF PENTACLES)」のカードは、物質的な豊かさと精神的な安定、そして深い思いやりを同時に体現している人物です。現実的な視点で生活や仕事を築き上げながら、周囲の人々に対する細やかな配慮や愛情を欠かさず、バランス感覚に優れています。特に家庭や人間関係においては、献身的な姿勢で人々を支え、守る存在として表れます。経済面や健康、家庭環境に対して実務的なアプローチができる一方で、感情的な安定や信頼を築く力も併せ持っており、周囲の信頼を集めるでしょう。現実と心の両面を大切にする成熟した女性性の象徴です。
1. ペンタクル・クイーン(QUEEN OF PENTACLES)のイラストの意味と象徴性
ペンタクル・クイーンのカードには、ペンタクル(金貨)を大切そうに抱えるクイーンが描かれており、これは物質的価値だけでなく、心から大切にするもの、守るべき対象への深い愛情を象徴しています。彼女が座る王座は安定性と責任を意味し、背景に描かれた木々や草花、果物は繁栄、成長、自然との調和を表現しています。また、足元に現れるウサギは、生命力と豊穣、そして未来への希望を示しています。全体的に落ち着いた色合いや装飾が施された衣装は、クイーンの内面の深さと外見の品位を物語っており、現実と精神の両面での豊かさを表現しています。
ペンタクル(金貨):物質的な価値、経済的安定、現実的な思考
王座:威厳と責任、安定した立場
自然(木々・草花):成長、癒し、繁栄、調和
ウサギ:豊穣、感受性、生命の再生力
衣服の模様と色:精神的成熟、落ち着き、実務能力
女性の表情:思慮深さ、優しさ、内面的な愛情とケアの姿勢
2. カードの番号と意味
ペンタクル・クイーンは、タロットにおける「宮廷カード(コートカード)」のひとつであり、数字の代わりに「クイーン(女王)」という称号を持ちます。クイーンは象徴的に「2(受容性)」と「4(安定性)」の要素を併せ持ち、ペンタクルのスートの性質である「現実性」「物質」「実務能力」と調和します。数秘術的には、家庭や仕事、金銭面での調和をもたらす力、すなわち“育成”と“維持”のエネルギーが込められており、単なる管理者ではなく、温かみと理解をもって環境を育む存在を示しています。このカードに明示された番号はないものの、その象徴する本質には確かな“質”があり、数では測れない奥深い意味が込められているのです。
3. ペンタクル・クイーン(QUEEN OF PENTACLES)の象徴的な役割
ペンタクル・クイーンは「育てる力」「支える力」の象徴です。物質面の管理能力と、感情面の共感力を併せ持ち、家庭や職場、社会の中で信頼される存在です。彼女は地に足をつけながら、実際的な行動を通して他者を支援し、必要な助けを自然と提供します。その役割は“母性的”とも言えるもので、特に家庭や地域、組織などの小さなコミュニティの中で、目に見えない安心感を提供する立場として現れます。また、人や物事に真摯に向き合い、丁寧に育んでいく姿勢からは、持続可能な安定を築く能力がうかがえます。現実世界の中で愛を形にしていく力こそが、彼女の最も象徴的な役割です。
4. 歴史的背景
ペンタクル・クイーンは、中世の王侯貴族社会において現実的に力を持っていた「女王」のイメージに由来しています。特に家庭と国を支える存在としての女王像は、現代の「家庭の支柱」や「現場の指導者」にもつながる普遍的な象徴です。また、ペンタクルが示す「地のエレメント」は、地母神や農耕の女神(デメテルやキュベレーなど)といった神話的存在とも重なり、養育や繁栄、自然とのつながりを表しています。20世紀初頭にパメラ・コールマン・スミスが描いたライダー=ウェイト版では、より親しみやすく、現代的な女性像として再構築され、精神性と物質性が融合した「等身大の理想像」としての役割が強調されました。
5. リーディングに役立つタロット解説
占いにおいてペンタクル・クイーンが現れた場合、それは「安定をもたらす人物の登場」「信頼関係の構築」「物質的・精神的な調和が取れた状態」を示しています。自分自身がそのような立場にあることもあれば、周囲にそのような人物が現れている可能性もあります。仕事においては堅実な成果を積み重ねること、家庭においては配慮とケアの行き届いた環境作り、人間関係では信頼に足る対応が求められていることを意味します。このカードが出たときは、自分自身または他者に対して「現実的で愛のある行動」をとることで、全体の流れを良い方向へと導くことができるというメッセージが込められています。
正位置の場合:
現実としての支援
安心できる家庭
心と体の安定
信頼できる人柄
丁寧に育てる力
逆位置の場合:
過度な干渉
お金ばかり重視
依存してしまう性格
配慮が裏目に
不安定な生活

大アルカナ(Major Arcana)
小アルカナ(Mminor Arcana)
ワンド
ペンタクル
ソード
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