リーディングに役立つタロット解説|カップ・ペイジ(PAGE OF CUPS)「純粋な感性と直感」
- 神貴
- 6月7日
- 読了時間: 5分
更新日:6月23日

リーディングに役立つタロット解説
監修:七水(しちすい)占術研究家、占い師
小アルカナの「カップ・ペイジ(PAGE OF CUPS)」のカードは、感性や直感、想像力の芽生えを象徴するカードであり、特に若者のような純粋さや無垢さがテーマです。愛情や芸術、スピリチュアルな感受性への開放が暗示され、新しい恋や創造的なひらめき、思いやりに満ちた行動の始まりを示します。自分の感情と素直に向き合い、内なる声に耳を傾けることの重要性を説いており、心の奥にあるやさしさや好奇心が外の世界に向かって動き出すタイミングを意味しています。未熟さや幼さが見られる一方で、それがもたらす素直さや柔軟性もまた魅力であり、新たな感情体験や人間関係への前向きな姿勢を促すメッセージです。
1. カップ・ペイジ(PAGE OF CUPS)のイラストの意味と象徴性
カードの中央には若者が立ち、彼は手にカップを持ち、その中から魚が顔をのぞかせています。これは直感やインスピレーションの突然の到来、感情的なメッセージの出現を象徴しています。若者の姿は純粋さや柔軟な心を表し、これから何か新しい感情の冒険が始まることを示唆しています。背景に広がる穏やかな海や青い空は、感情が安定している状態と、広がる可能性を示しており、静かで穏やかな心の準備が整っていることを暗示します。カップと魚の組み合わせは、内なる直感が想像を超えたかたちで現れることを象徴し、物質的なものではなく精神的・感情的な価値に焦点を当てるべき時期を告げています。
カップ:感情や無意識の器
魚:直感・内なる声・創造的ひらめき
若者:未熟だが純粋な感情の探究者
花の刺繍:感性の高さと芸術的センス
海:感情の流れと安定、内面の世界
青い服:精神性、真理への探求心
2. カードの番号と意味
カップ・ペイジは番号では「11番目」に該当し、数秘術的には「1+1=2」に還元されます。「2」という数字はバランスや受容、調和、人間関係の始まりを意味しており、内面の感受性や他者との共感に強く関係しています。ペイジという立場は始まりの段階にあり、未完成ながらも新しい感情体験の扉が開くことを示しています。このカードの番号的象意は、個人の心の中にある繊細な感覚や微細な変化に注意を向けるべきことを強調しており、特に他者との関係における繊細なやり取りや誠意ある対応が重要となることを暗示しています。また、直感を通じたメッセージの受容という側面も、番号「2」の特性と重なり合っています。
3. カップ・ペイジ(PAGE OF CUPS)の象徴的な役割
カップ・ペイジの象徴的な役割は、感情の「受容と発見」の使者としての役割にあります。彼はまだ未熟でありながら、心の奥に眠るやさしさやインスピレーションに気づき、それを外界へと表現することを担います。感情面での新たな旅立ちを象徴するこのカードは、思いやりや好奇心をもって人と関わる姿勢を促します。また、芸術的な表現や創作への入口でもあり、インスピレーションに素直に従うことの大切さを示します。彼の存在は、既成概念や常識にとらわれない自由な感性と、それを通じて新たな視野を得ることの可能性を内包しています。つまり、感受性を育て、それを素直に表現することで、新しい関係性や経験が拓けることを示しています。
4. 歴史的背景
カップ10のカードは、20世紀初頭のアーサー・E・ウェイトと画家パメラ・コールマン・スミスによって制作されたライダー=ウェイト版タロットにおいて完成されました。この時代は家庭や精神性への関心が高まっており、カップ10の象徴である「幸福な家庭」や「感情の完成」というテーマは、多くの人々に共感されました。虹や家族の描写は、当時のスピリチュアリズムの流行とも関係し、人間の感情と宇宙的秩序との調和が重要視されていた時代背景が反映されています。ウェイト自身も神秘主義やキリスト教的象徴をタロットに織り込み、精神的理想と現実の生活を結びつける表現としてこのカードを位置づけました。時代を越えてこの絵柄が多くの人々に愛され続けるのは、その象徴力と普遍性ゆえといえるでしょう。
5. リーディングに役立つタロット解説
占いにおいてカップ・ペイジは、愛や感情に関する新しい始まりやメッセージの到来を意味します。恋愛では片想いや告白、あるいは新しい出会いが期待できるカードであり、純粋な気持ちを大切にする姿勢が吉とされます。仕事や対人関係では、他者への共感や素直な気持ちをもって接することが求められ、感情的な成長や人間関係の深化が暗示されます。また、内面的な気づきや芸術的インスピレーションの高まりも示唆され、自分の感性に従って行動することで良い結果につながります。一方で、未熟さや空想に流されやすい面もあるため、現実とのバランスを取ることが大切です。真摯に感情と向き合うことが成功の鍵となります。
正位置の場合:
感情の芽生え
新たな恋心
芸術的直感
柔軟な心根
優しい気遣い
純粋な理想
逆位置の場合:
幼稚な感情
夢見の過剰
空想的思考
感情の混乱
自信の欠如
拒絶への恐怖

大アルカナ(Major Arcana)
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ワンド
ペンタクル
ソード
カップ
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